コンビニ、飲食店などの接客業から、運送業、製造業など消費者には見えないところまで、さまざまな職種で活躍しているアルバイトスタッフ。
現代日本の便利でサービスの行き届いた暮らしは、アルバイトスタッフが支えていると言えます。
特に、長時間の勤務や毎日の出勤などで現場を支えているのがフリーターですね。
残念ながら、会社員と比べると非正規労働者のフリーターは世間一般として軽んじられがちです。
そんなフリーターをやめて別の業界・業種に転職するにはどうしたらいいのでしょうか。
元フリーター19人の体験談・口コミを紹介しながら、転職を成功させる方法・コツを解説します。
フリーターの転職理由は「このままじゃダメだ」「将来の不安」が多い
フリーターをやめるのはどんな理由なのか、やめたいと思ったきっかけはどんなものなのか、19人の転職理由を調べてみました。
1位 | このままじゃダメだ!と奮起 | 7人 |
---|---|---|
2位 | 将来が不安 | 6人 |
3位 | 世間体が悪い | 3人 |
3位 | 自分のやりたい仕事をしたい | 3人 |
今回の調査では、家庭の事情や健康状態、就職難などで致し方なくフリーターになったという方が多くいました。
中には夢を追いかけて、暮らしのためにバイトをしているという方も。
フリーターは一般的な会社員よりも時間が自由になるので、その時間で資格を取ったり療養したりできますから、そういった方には適した働き方と言えるでしょう。
しかし一方で、フリーターは不本意な状態でもあり、「このままではいけない」「本当は正社員になりたい」と奮起して転職に踏み切ったという意見が多かったです。
フリーターならば、時間を調節して面接に行ったり企業研究をじっくりしたりと、就活がしやすいですね。
フリーターは、社会的な地位や身分の安定性がありません。
また、時給で働いた分だけ給料がもらえるので、体調不良などで休むと途端に収入が減ってしまいます。
こうした点から「将来を考えると漠然とした不安を感じる」という理由でフリーターから転職を決めた方も多くいました。
3位の「世間体が悪い」というのも、フリーターとして働くことの不安定さが大きく影響しているでしょう。
アルバイトは社員に比べて責任を負いませんし、その分給料も安いというのが世間一般の考えです。
そのために「しっかりしていない」「一人前でない」といった風に見られてしまいます。
特に2chのような匿名のネット環境では、フリーターに対して辛辣な発言なくあも少りません。
フリーター本人もそうした価値観から、居心地の悪さを感じることもあるでしょう。どうせ働くのなら、胸を張って言える職に就きたいと考えるのは当然のことですね。
4位には「自分のやりたい仕事をしたい」という理由が挙がりました。
働いていると「自分が本当にやりたいことはなんだろう?」と考えることがありますよね。
そうした時に、じっくり自分自身と向き合うことで、自分が働きたい業種・業界が見えてくるでしょう。
せっかく転職するなら、本当に自分が興味を持てる職、やりがいを感じられる職場をじっくり探すことも重要です。
今回の調査では「バイトが楽しくそのまま就職した」という方もいました。バイトとして経験していればスムーズに内定をもらえることもあるでしょう。
仕事がきつい・大変といった仕事内容や職場に関するものではなく、フリーターという立場そのものへの不満や問題が理由となっていました。
フリーターをやめた人の転職先は?未経験の職種にもチャレンジ
一口にフリーターといっても、職種は実にさまざま。また、人によって経験や職歴もいろいろです。
接客業で磨いたコミュニケーション力、もくもくと作業をこなす集中力、多用な職種をこなしてきた経験など、あなただけの武器が必ずあります。
まずはその武器を見つけ、磨きながら、進みたい道を決めていきましょう。
ここでは実際に転職した19人の成功例から、フリーターをやめて転職できる職種、業界を紹介します。
未経験の職種への転職成功例
バイトしていた職種とは違う、他の業界への転職を成功させた方は多いです。
未経験でも一から学ぶ・長く働き続ける姿勢があれば、伸びしろに期待してくれる企業もあります。
特に20代までの若い方にはチャンスも多いはず。
「これ!」と思う職種があるなら、悩んでいるより行動してみるのもおすすめです。
経験や資格が活かせる職種への転職成功例
バイトでの経験や持っている資格を活かして転職活動をした方々もいます。
バイト先で就職したり、近い職種を選んだりすれば、仕事の内容や職場の雰囲気も大体分かります。
経験が活きるので就活もスムーズでしょう。
資格については、以前から持っていた方もいますし、バイトをしながら取得した方も。
30代以降は転職の条件が厳しくなることが多いですが、資格や経験があればその限りではありません。
ずっとフリーターでいるつもりは無いけれどまだ就活とまでは・・・という方も、まずは何か資格を取っておくといいですね。
ほかには
- 飲食店スタッフ(2人)
- 事務機器販売の営業
- 建築パース制作
- 高校教諭(2人)
- 雑貨店スタッフ
- 遊園地のフード部門社員
- Web制作
- 派遣会社の一般事務
- 飼料会社の品質管理
- IT企業の事務職
- 人材サービス会社の営業
に転職した人がいました。
正社員として採用された方が多いですが、派遣社員や契約社員の方もいました。バイトから派遣社員や契約社員に、経験を積んで正社員へと段階を経るパターンもあります。
フリーターの就活は、無料の就職相談サービスがおすすめ
残念ながら、フリーター経験は就職活動であまり強みにはなりません。
リクナビ、マイナビといった一般の転職サイトから求人に募集しても、採用されるのはなかなか難しくなります。フリーター期間が長いと、書類選考さえ通らないことも多いでしょう。
だからこそおすすめなのが、「社会人経験の少ない人」に特化した就職相談サービスを利用することです。
リクルートの「就職Shop」は、正社員の仕事がいろいろ選べる
「就職Shop」は、リクルートが運営している就職相談サービスです。
既卒者やフリーターの人向けというのが大きな特徴で、すでに10万人以上の利用者がいます。
- 未経験でも正社員として就職できる企業8,000社以上から選べる
- 書類選考なし
- 面接対策やセミナーで就職をサポート
就職・転職の経験がない人にとっては、面接対策などいろいろ相談できてサポートしてもらえるのは安心ですよね。
面接に応募する前に、どんな会社なのか、どんな仕事なのか話を聞けるというのも、普通の転職サイトにはないメリット。
営業から事務、企画、技術職まで幅広い職種の募集があるので、「おもしろそう!」と感じる仕事もきっと見つかるはずです。
フリーターからの脱出の具体的なステップとして「就職Shop」を使ってみてください。
ハローワークでの仕事探しがおすすめできない理由
フリーターから就職した体験談を募集してみて、ハローワークで就職活動をする人が今でもたくさんいることは本当に驚きでした。
最初からハローワークで仕事を探すのは、あまりおすすめできません。
なぜなら、ハローワークはどんな企業でも無料で求人募集を出せる分、「安心して長く働ける企業」「人気のある企業」がとても少ないからです。
リクルートなど民間企業が運営している求人サイトや就職相談サービスでは、企業が求人募集を出すのに安くても数十万円の費用をかけています。
それは逆に言えば、「人材採用にお金をかけられる企業」「規模が大きな安定企業」が多いということになるのです。
民間の求人サイトやエージェント、就職相談サービスを利用した方が、希望する求人に出会える可能性ははるかに高いです。
求人サイトを見ても仕事の募集が全然ないほどの田舎なら選択肢としてありですが、ハローワークは基本的に、どうしても仕事が決まらないという場合に利用する「最後の砦」として考えるようにしましょう。
フリーターからの転職で年収は上がる?
フリーターは一般的な会社員に比べて、平均年収は低めです。転職したら給料が増えるのか、どれくらい上がるのか、というのは気になる部分ですね。
年収アップ | 18人 |
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ほぼ変わらず | 1人 |
年収ダウン | 0人 |
年収が下がったと人はいませんでした。
フリーターの中には「実家暮らしで生活費はほとんどかからないので最低限しか働かなかった」「体調が悪く、リハビリ的に月収5万程度のバイト」という方も少なくありません。
毎日きちんと働くようになれば、年収が上がるのは妥当と言えます。
また、フリーターとして週5で勤務していてもボーナスなどはないので、社員になることで稼ぎやすくなるでしょう。
今回の調査では、100万円ほど増加したという方が多かったです。中にはフリーター時代の2倍以上の年収になった方もいました。
フリーターからの転職では、年収が上がる可能性が高いです。
なにより、毎月給料が保証されているというのがフリーターとの大きな違いですね。
しかし、「額面では年収が上がったものの、税金や国民年金の支払いもあって実際の手取りは思ったより少なかった」という意見もありました。
給与や福利厚生についてなど契約内容はよく確認しておきましょう。
フリーターをやめてよかったところは「やりがい」「自分が成長できる」、「金銭面」など
転職サイトやエージェント、ハローワークから社員として就職した人が、実際によかったと感じているポイントをまとめました。
自分が成長できた
フリーターからの転職、新しい職場での就業を通して「成長できた」という方が多くいました。
バイトは責任のある立場・仕事は任せられません。そのため、仕事内容が簡単だったり単調になったりしがちです。
社員になればもっと責任のある仕事を任されるようになり、自分の努力や成長度合いにあわせて、業務の幅も広がっていきます。
先輩から指導を受けたり資格を取ったりと、新しい知識や経験も得られ、自分が成長していく実感があるでしょう。
フリーターを脱して転職したという事実がすでに大きな一歩でもありますね。
やりがいを感じる
フリーターのころよりやりがいを感じる、という声も多かったです。
生活の中で仕事が占める時間は長いので、そこにやりがいがあると生活全体の質が向上します。
そしてもっと楽しく働けるという好循環に。
仕事はシンプルに言えば「お金を稼ぐ方法」。同じお金を稼ぐにしても、どうせなら楽しいと思える職・やりがいのある仕事に就きたいものですよね。
金銭的な余裕ができた
正社員は毎月決まった給料が出ますし、職場によっては残業代やボーナス、住宅手当などもあります。
今回の調査では100万円前後収入が増えた方がほとんどでした。
金銭的に余裕ができると、気持ちにも余裕が生まれます。
また、趣味を楽しんだり、資格の勉強をしたりできますし、仕事に対しても熱心になれますね。
現状に満足していないなら、諦めずに転職を!
フリーターの場合、半年など短期間で職を変えていたり、職歴に無職の期間があったりと転職が難しく感じることもあるかもしれません。
どうせ自分なんて、と諦めてはいませんか?
若いうちはいいかもしれませんが、これからの人生、フリーターで暮らしていくのは大変です。
ずっとバイトで働き続け一人さびしい末路・・・なんてこともありえます。
結婚や子育てといった将来、ライフワークバランスと暮らしの充実度を考えると、なるべく早いうちに定職に就くほうが安心ですよね。
転職は年齢が若いほど有利です。現状に満足していない・不安があるのなら、なるべく早いタイミングでの転職をおすすめします。
あなたの一生がどんなものになるか、決められるのはあなただけ。
自分の気持ちに正直に、思い切ってチャレンジしてみてください。
退職のタイミングはいつ?切り出し方は?
人手が足りずなかなかバイトをやめられない、言い出すタイミングが分からない・・・という場合もありますよね。
バイトの場合、退職の2週間前に辞意を表明すればOKです。
スムーズに退職しやすいのは「やりたい仕事がある」「体調不良」「家庭の事情」など職場以外の理由を挙げることです。
バイトと平行して転職活動をし、内定がもらえた時点で「就職が決まった」と伝えるのもアリ。
期限を決めて、それまでにやめるぞ!という気持ちが大事です。
どうしても切り出せない場合は書面で伝えたり、退職代行サービスを利用したりすることも検討しましょう。